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早期乳がんの術後補助療法は分子マーカーで治療を選択、St. Gallenコンセンサスの報告
乳がん治療に大きな影響を与えるSt. Gallen国際会議。2009年3月に開催された第11回会議で議論されたコンセンサスの内容が、Annals of Oncology誌の電子版6月18日号に掲載された。この報告の中で、早期乳がんの術後補助療法は「リンパ節転移の有無などで規定した従来のリスクカテゴリーではなく、HER2などの分子マーカーによって治療を選択する」という新しい治療アルゴリズムが提示された。
早期乳がんは乳房に限局したがんであるが、患者によって再発リスクや転移リスクが大きく異なる。そのため報告では、どのようなタイプの早期乳がんなのか、どのような治療法が最適なのかを見極めることが重要と強調。過去のコンセンサスで盛り込まれていたリスクカテゴリーは、もはや適切ではないと述べている。
新しい治療アルゴリズムでは、エストロゲン受容体が認められた腫瘍をもつ患者に対しては内分泌療法による術後補助療法を、HER2陽性の患者ではトラスツズマブなどの抗HER2療法と化学療法の併用、あるいは化学療法の後に抗HER2療法を行うことを推奨している。エスロトゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2のどれも発現していない、いわゆるトリプルネガティブの患者では化学療法が治療の中心となる。
著者の1人であるDana-Farber Cancer InstituteのRichard Gelber氏は、「このコンセンサスは、早期乳がんの治療に関して、議論となっている問題に解決策を提示した点で重要である。分子マーカーによって定義されるサブグループごとに術後補助療法を選択することに重点を置き、さらに内分泌療法、抗HER2療法、化学療法といったそれぞれの治療法の適応対象を明らかにすることで治療アルゴリズムを改良した。我々はこの新しいアルゴリズムが診療を変えるものと期待している」と述べている。
また筆頭著者であるEuropean Institute of OncologyのAron Goldhirsch氏は、「(分子マーカーを用いての)病理学的な精密検査は、疾患の生物学的特性を明らかにする上で、特に感受性のマーカーに関して、重要と考えられている」とし、中でもマイクロアレイのように複数の遺伝子を解析する技術は「予後や感受性を見るために、ますます有用になるだろう」としている。
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