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閉経後乳がん患者に対する術前のホルモン療法が有効な可能性


 エキセメスタンが閉経後乳がんの術前補助療法として有効である可能性が示された。試験結果は5月29日からオーランドで開催された米臨床腫瘍学会(ASCO)で新潟がんセンターの佐藤信昭氏によって発表された。

 エキセメスタンはステロイド性のアロマターゼ阻害剤で、転移性乳がんに限らず、初発乳がんにもその有効性が示されている。
 
 同試験で対象となったのは、2006年3月から2008年1月までに登録された55歳から75歳までの閉経後女性116人で、ER陽性あるいはPgR陽性のホルモン感受性のある乳がん患者。病期はステージ2から3Aで、いずれも組織学的に確認された浸潤性乳がんで、以前に治療を受けたことのないものとされた。

 主要評価項目は、術前のエキセメスタン投与による抗腫瘍効果で、投与期間16週間と24週間とにおける有効性の比較や安全性、そして乳房温存率の割合などとされた。

 試験では、まず術前のホルモン療法としてエキセメスタンを16週間投与した。うち、臨床効果が評価された106人に対して、さらに8週間のホルモン治療が追加された。16週時点での臨床効果の結果は、CR0人、PR48.7%(55人)、SD47.7%(54人)だった。そこで、16週の時点でPRとなった55人に対して8週間の治療を追加すると、PR45人、SD7人、PD1人、NE2人という結果となった。また、16週の時点でSDとなった54人に対して行われた追加投与の結果は、PRが14人、SDが35人、PDが3人、NEが2人だった。

 術前のホルモン療法による乳房温存術の割合に関しては、通常であれば50.9%の温存率だったものが76.7%と上昇しており、ホルモン治療による術前補助療法の新たな効果が期待される結果となった。

 有害事象に関しては、グレード3の血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)や血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)の上昇がみられたが、いずれも対処可能な範囲だった。

 ホルモン感受性陽性で、閉経後の乳がん患者を対象とした今回の試験からは、術前のホルモン治療を継続すべきか、中止すべきかという明確な確証は得られなかったものの、効果予測によって、今後その有効性が示されることで、新たな選択肢が広がる可能性を示唆する結果だった。

(美奈川 由紀=医学ライター)

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2009年6月12日

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