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「グリベック」による慢性骨髄性白血病の5年全生存率は89%、白血病による死亡を大幅減
慢性骨髄性白血病(CML)の患者を対象とする臨床試験IRISで、「グリベック」(一般名イマチニブ)投与を受けた患者の5年生存率が89%であることが明らかになった。詳細な結果は、New England Journal of Medicine誌2006年12月7日号に報告された。
CMLでは、染色体の転座に基づくBCR-ACLチロシンキナーゼの異常な活性化が見られる。この酵素の恒常的な活性化は、細胞増殖が常に刺激される状態を作り出す。このキナーゼを阻害するスイスNovartis社製の「グリベック」は、短期的には、CMLの標準治療となっているインターフェロンαとシタラビンの併用より有効であることが示されていた。
研究者たちは今回、5年間に渡る追跡の結果を論文発表した。この研究の概要は、2006年6月のASCOで報告されている。IRIS試験は、世界16カ国177施設が参加して行われた大規模比較試験で、治療歴のない慢性骨髄性白血病患者を「グリベック」群(553人)とインターフェロンα・シタラビン併用群(553人)に割り付け、「グリベック」の有効性と安全性を標準治療と比較する目的で進められた。今回は、追跡期間の中央値が60カ月の時点で、割り付け時から「グリベック」の継続投与を受けてきた553人を対象に、全生存率と無イベント生存率、病気の進行と、血液学的・細胞遺伝学的・分子的反応、および副作用を評価した。
5年間のCMLによる死者は全体の5%、あらゆる原因による死亡も11%に留まった。病気が慢性期から加速期または急性転化期に進行した患者は7%のみ。細胞遺伝学的完全寛解(骨髄にフィラデルフィア染色体陽性細胞が認められず、白血球の機能が正常化する)を達成、または、染色体の転座で生じたBCR-ABLチロシンキナーゼ量が対数で換算した場合に3以下になった患者の進行リスクは、そうでない患者に比べ有意に低かった(P<0.001)。心臓に対する影響が懸念されたが、治療に関連すると見られる心不全を起こした患者は1人だけで、リスクは低いことが明らかになった。
この研究に携わった31人の共同研究者を率いた米Haward Hughes医学研究所のBrian Druker氏によると、脾臓の腫大または未熟な白血球の頻度の増加などを指標としてハイリスクに分類された患者の場合、「グリベック」に対する反応が低かったが、それでもなお70%近い患者に細胞遺伝学的完全寛解が見られた。これは、これまでの標準治療で望めるレベルの6から7倍に相当するという。なお、患者が細胞遺伝学的完全寛解を示した場合、再発リスクは、診断時の評価(低リスク、中リスク、高リスク)に関わらず同等だった。同氏は「従来の治療では、治療に対する反応に基づいて再発リスクを予測することはできなかった」と説明した。
さらに同氏は「今回見られた長期的な効果は、他のキナーゼ阻害剤であるダサチニブとニロチニブの有効性評価のための基準を提供した。もし、これらの薬剤が「グリベック」に優るなら、再発予防効果も生存率も高くなるだろう。だがキナーゼ阻害剤は、いずれも、病気をコントロールすることはできるが、CMLを治癒させる効果は持たない」と述べた。同氏らは現在、CMLの治癒に向けた治療の開発にも取り組んでいるという。
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1) 慢性骨髄性白血病治療薬「グリベック」の5年間生存率は89% (2006.6.5) (2006.6.5)
2)イマチニブ耐性慢性骨髄性白血病にダサチニブが有効 (2006.6.13
3))「グリベック」耐性白血病に有効な抗がん剤が米国で認可 (2006.6.29)
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